ウェアブル近視デバイス「Kubota Glass®」

近視の問題に取り組む背景

近視は、屈折性近視、軸性近視、偽近視、核性近視などに区分されますが、その多くは軸性近視と診断され、眼軸が伸展することによりおこるとされています。眼軸長が伸びると、眼球の中で焦点が網膜より手前に位置づけられるために、遠くが見えにくくなります。 アジア諸国、特に中国では若年層の近視が社会問題となっており、中国の10代および若年成人の約90%が近視であるという報告もあり、50年前と比較すると4倍以上に増加しています。このような背景から、中国政府は近視削減目標を定めた国家計画を策定し、2030年までに高校生までの近視発症割合を70％以下にすることを目標として、近視予防・対策に取り組んでいます。 現在は、メガネやコンタクトレンズ、屈折矯正手術により、光の屈折を矯正し、焦点を網膜に合わせることが一般的であり、 伸展した眼軸長を短縮させるような根本的な治療法は見つかっていません。

近視のリスク

強度近視は、より重篤な眼疾患の合併が懸念されます。

独創的な技術：アクティブスティミュレーション

Kubota Glass®のアクティブスティミュレーション技術は、網膜に人工的な光刺激を能動的に与えて近視の進行の抑制、治療を目指す当社独自の技術です。 網膜に光刺激を与えて近視の進行の抑制、治療を目指す技術は既に実用化されており、米国ではCooperVisionのMiSight® 1 Dayという製品が近視抑制効果があるとして米国食品医薬品局(FDA)より認可を受け、販売されています。これらの製品は、多焦点コンタクトレンズの仕組みを応用し、自然光をぼかして網膜周辺部に刺激を与えることで、単焦点コンタクトレンズと比較して、近視の進行を抑制することを証明したコンタクトレンズです。 一方、Kubota Glass®はこの理論的根拠を元に、AR技術を用いて 網膜刺激に効果的な映像を能動的に網膜周辺部に投影することにより、従来の自然光を用いた軸性収差補正眼鏡よりも短時間の使用でより自然な見え方を維持しながら、高い近視抑制効果を実現することを目指しています。

特長①：近視性デフォーカス映像の投影

Kubota Glass®は、目が本来持っている「周辺部網膜がピントが合う位置まで移動する」習性を利用したARデバイスです。 網膜の手前に高コントラストな近視性デフォーカス映像を投影することで、網膜を前方に移動させ、眼軸の伸長を抑制して近視の改善を目指します。

特長②：AR技術による能動的アプローチ

装着した直後は、ハイコントラストなマルタ十字の映像がレンズを通して視界に現れますが、数十分経つと脳がその映像を認識しなくなるため、視界から消えて見えなくなります。そのため、違和感なく普段通りの生活を送ることが可能となります。

●重量は40gと軽いので、お子様にも負担なく装用可能

●コンタクトをつけたままの使用や、アトロピン等の近視抑制治療と併用可能

特長③：目に対する安全性

Kubota Glass®の光放射は、ISO 15004-2の規格に基づき、目への悪影響が無い事が証明されています。

他社製品と特長比較

研究データ参照文献

クボタ・ビジョン :
• Kubota R, et al. International Myopia Conference. 2022
• Donovan L et al. Optom Vis Sci 2012;89:27-32.
• Donovan L et al. Optom Vis Sci 2012;89:27-32.

H社:
• Lam CSY, et al. Br J Ophthalmol 2014;98:40-45.
• Lam CSY, et al. Br J Ophthalmol 2019;0:1-6.

E社:
• Bao J, et al. Br J Ophthalmol 2021;0:1-6.

C社:
• Optom Vis Sci 2019;96:556-567.

S社:
• Rappon J, et al. Optom Vis Sci. 2020;97:E-abstract 200036
• Review of Myopia Management Oct 7, 2021.

T社:
• Mori, et al. J Clin Med 2021;10:5462.

治療法A:
• Jiang Y, et al. Ophthalmology. 2022 May;129(5):509-519.

治療法B:
• Yam JC, et al. Ophthalmology. 2019 Jan;126(1):113-124.

治療法C:
• Cho P & Cheung SW. Invest Ophthalmol Vis Sci. 2012;53(11):7077- 7085.

「Kubota Glass®」

Kubota Glass®は現在、日本・中国・台湾・アメリカで販売しています。
医療機器としての承認取得に向けた臨床試験や規制対応は国ごとに段階が異なり、台湾・アメリカでは医療機器登録済みです。今後は臨床試験を加速させ、グローバルな医療機器承認を目指してまいります。