IR情報

CEOメッセージ

MicrosoftTeams-image (10).jpeg

株主・投資家の皆様へ

はじめに、新型コロナウイルスに感染された方々、そして、感染拡大に伴いさまざまな影響を受けられた皆さまに心からお見舞い申し上げます。 今回のこの危機は、経済や医療現場に大きな混乱を来たしただけでなく、個人の日々の生活や働き方にも大きな影響を及ぼしています。 この未曾有の事態から生まれる誰しも経験したことのない新しい世界「ニューノーマル」は、社会のありようを一変させると同時に、変革を加速させる大きなチャンスでもあると考えており、当社でも日本の医療のデジタル化を推進すべく、引き続き積極的に取り組んでまいりたいと存じます。

当社は、2002年の創業当初より、「世界から失明を撲滅する」というミッションのもと、眼科領域に特化したバイオテック企業として、数々の⾰新的な治療薬・医療技術の開発に取り組んでまいりました。1⽇でも早く、眼疾患で不安を抱えておられる⽅々に、希望と安⼼、そして⽬が⾒える喜びと感動をお届けするべく、今後も確固たる信念のもとに⽇々研究開発及びマーケティングに精⼒的に取り組んでまいります。
2020年は、スターガルト病の治療薬候補、エミクススタト塩酸塩の第3相臨床試験の被験者登録が完了し、またアメリカ航空宇宙局National Aeronautics and SpaceAdministration(以下、NASA)の有人火星探査に向けた、在宅・遠隔眼科医療用網膜モニタリングデバイス開発プロジェクトのフェーズ1が完了しました。さらに、新たに近視治療メガネとして「クボタメガネ」の開発加速を発表し、2021年内の商業化を目標に開発を進めております。眼科領域の「薬」と「デバイス」の二つを軸に進めている当社のプロジェクトについて簡単にご紹介させていただきます。

エミクススタト塩酸塩について

現在の網膜疾患治療では、主に眼内注射薬が⽤いられておりますが、眼球に注射をすることに対する不安から、治療を受けることに抵抗のある⽅も多くいらっしゃいます。当社が開発しているエミクススタト塩酸塩は、飲み薬であるため、患者さんへの精神的負担がより軽く、より安全性が⾼い、⾰新的な治療法になることが期待されております。現在は、スターガルト病を適応症としたエミクススタト塩酸塩の24ヶ月間の第3相臨床試験を実施しており、2020年5⽉1⽇にはすべての被験者登録を完了いたしました。最終的な被験者登録数は、患者さんや医療従事者からの高い期待があったこと、新型コロナウイルス感染拡大等の影響を踏まえ、当初の⽬標被験登録数162名を大きく上まわる194名となりました。またこの第3相臨床試験は、2020年8月には、米国食品医薬品局(FDA)の助成プログラムに選定されました。これまでに主任研究者として日本人が採択された前例はなく、また新型コロナウイルスの影響で、助成金のおおもととなる税収が制限される中での採択となりました。この助成金は、企業が採択される確率がわずかであるということを踏まえましても、我々の化合物に多大な期待を抱いていただいていると感じます。こうしたサポートを受けながら、2021年も当臨床試験を継続していきます。

医療⽤機器について

⾃覚症状の乏しい網膜の病気の早期発⾒と、網膜疾患に罹患した⽅々のモニタリングを実現し、個々の患者さんに適した眼科治療を⾏うための医療機器の実⽤化を⽬指しております。遠隔で網膜の病変を観察するため、クラウドを活⽤した超⼩型光断層診断装置の開発を進めておりますが、5Gの本格始動や、新型コロナウイルスの影響により、遠隔医療デバイスの需要が⾼まっていることから、当社では、いち早い商⽤化に向け、マーケティング戦略にも⼒を⼊れてまいります。NASAのスペースミッションへ向けた宇宙⾶⾏⼠モニタリングデバイスの開発については、2020年4⽉末にプロジェクトのフェーズ1が完了しました。現在は、米国予算が新型コロナウイルス対策に割かれているため、フェーズ2の予算が付く時期は未定ですが、この装置を使い、宇宙に⻑期滞在した宇宙⾶⾏⼠の69%が罹患するというSpaceflight Associated Neuro-ocular Syndrome(SANS)の解明に役⽴てたいと考えております。 近視治療のクボタメガネについても順調に開発を進めております。近視は我々にとって最も身近な疾患の一つであり、さらに、この新型コロナウイルスの影響により患者数が増加している疾患です。我々が開発進捗の発表をするたびに、世界中の近視のお子さんを持つ親御さんから問い合わせをいただいており、このデバイスをなんとか早く世に出せるように、今後もスピード感を持って開発を進めてまいります。

オプトジェネティクス技術による遺伝⼦治療薬について

網膜⾊素変性症を対象とする遺伝⼦治療の研究開発を⾏っています。網膜⾊素変性症は世界で約150万⼈が罹患し、 失明に⾄る恐れがある遺伝性の網膜疾患です。⽶国では2017年に世界で初めて眼科の遺伝⼦治療薬ラクスターナが承認され、薬価が両眼で9,600万円だったことも追い⾵となり、今後、⾼い成⻑が期待できる市場と⾔えます。当社の開発している遺伝⼦治療薬は、ヒト由来のロドプシンを⽤いているため、安全性が⾼いことが期待されております。


今後も社員⼀丸となり、事業に邁進する所存でございます。皆様、引き続きご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。


   

2021年4⽉吉⽇
窪⽥製薬ホールディングス株式会社
代表執⾏役会⻑、社⻑兼最⾼経営責任者
窪⽥ 良 MD, PhD