CEOメッセージ

株主・投資家の皆様へ
「世界から失明を撲滅する」
当社は、創業当初より、「世界から失明を撲滅する」というミッションのもと、医療のデジタル化を推進すべく、眼科領域に特化したバイオテック企業として、数々の⾰新的な治療薬・医療技術の開発に取り組んでまいりました。1⽇でも早く、眼疾患で不安を抱えておられる⽅々に、希望と安⼼、そして⽬が⾒える喜びと感動をお届けするべく、今後も確固たる信念のもとに⽇々研究開発及びマーケティングに精⼒的に取り組んでまいります。
医療⽤機器について
クボタメガネ
近視治療を⽬標に開発しているクボタメガネについては、着実に臨床試験を継続しております。我々のデバイスは、侵襲性が極めて低く、6歳の⼦供でも着⽤できる上に、まだ⼩規模臨床試験の結果ではありますが、既存製品と⽐較して⾮常に良いデータが得られています。特に、2022年7⽉にシュプリンガー・ネイチャー社刊⾏のScientific Reports に掲載された「⼤⼈の⽅でもアクティブな近視性デフォーカスであれば近視治療の可能性がある」という論⽂は、公開から半年以上経過した今でも同社調査対象の全てのオンライン論⽂でPV数が上位5%にランクインしています。⾮常に⾼い注⽬度を獲得しており、⼤変嬉しく思っています。我々は、近視の撲滅を通して、近視由来の失明疾患に罹患する⽅を減らしていきたいと考えております。
PBOS
遠隔で網膜の病変を観察するため、クラウドを活⽤した在宅·遠隔眼科医療⽤網膜モニタリング機器「PBOS」の開発を進めております。⾃覚症状の乏しい網膜の病気の早期発⾒と、網膜疾患に罹患した⽅々のモニタリングを実現し、個々の患者さんに適した眼科治療を⾏うための医療機器の実⽤化を⽬指しております。なお、「PBOS」は、宇宙と地球間という究極の遠隔医療を実現すべく、2019年に⽶国NASAからもファンディングを受けております。
医薬品について
エミクススタト塩酸塩
現在の網膜疾患治療では、主に眼内注射薬が⽤いられておりますが、眼球に注射をすることに対する不安から、治療を受けることに抵抗のある⽅も多くいらっしゃいます。当社が開発しているエミクススタト塩酸塩は、飲み薬であるため、患者さんへの精神的負担がより軽く、より安全性が⾼い、⾰新的な治療法になることが期待されております。スターガルト病を適応症としたエミクススタト塩酸塩の第3相臨床試験のトップライン解析の結果は、残念ながら主要評価項⽬および副次的評価項⽬の⼆群間の有意差が統計的に⽰されませんでしたが、その後の更なる分析の結果、ベースライン時の萎縮病巣⾯積(mm2)がより⼩さい被験者グループでの萎縮病巣の進⾏率が有位に低いことが⽰唆されました。このことから、サブグループ解析を実施した結果、ベースライン時の萎縮病巣領域が⼩さい被験者グループに対してエミクススタト投与群の24カ⽉⽬の⻩斑萎縮の進⾏率が、プラセボ投与群に⽐べ40.8%抑制されました。現時点で、我々だけで再度⼤規模な臨床試験を実施することは難しく、この結果をもとにパートナー企業との交渉を進めてまいります。
今後も社員⼀丸となり、事業に邁進する所存でございます。皆様、引き続きご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
2023年4⽉吉⽇
窪⽥製薬ホールディングス株式会社
代表取締役会長、 社長兼最高経営責任者
窪⽥ 良 MD, PhD