目の病気

ウェット型加齢黄斑変性

加齢黄斑変性~欧米で中途失明の主要原因

加齢黄斑変性とは加齢とともに網膜に有害代謝産物が蓄積され、網膜で最も重要かつ視力を司る黄斑が損傷する病気で、眼のアルツハイマー病とも言われています。病気が進行すると視力の低下やモノが歪んで見えるなどの症状が悪化し、最終的に失明に至るケースもあります。患者数は全世界で1億3,800万人と推定されており、欧米では50歳以上の人の失明原因の一位と言われています(※1)。加齢に伴い罹患率が高くなることから、高齢者人口の増加により、日本を含め患者数は増加の一途をたどることが予測されています。

また、加齢黄斑変性にはドライ型とウェット型の2種類があり、患者数の約90%がドライ型、約10%がウェット型です。ドライ型の患者のうち約15%が、黄斑部が地図状に萎縮する症状に悪化し、患者数でみると、ウェット型加齢黄斑変性とほぼ同じ規模です。

病気のメカニズム

加齢黄斑変性は、加齢、酸化ストレス、光障害、遺伝的素因が関与すると言われています。初期のドライ型徐々に病気が進行して、重度の地図状萎縮を伴うドライ型加齢黄斑変性を惹き起こす場合と、病的な血管新生を伴うウェット型加齢黄斑変性を発症する場合があります。ウェット型で生じる新生血管は、正常の血管とは異なり脆いため血液成分が漏出したり、血管が破れたりします。血液成分が漏出すると網膜が腫れたり、網膜下に液体が溜まったりして、網膜が障害され視力が低下します。

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負担を軽減する治療が求められる

ウェット型加齢黄斑変性に対しては、新生血管の増殖や成長を促進する因子であるVEGF(vascular endothelial growth factor;血管内皮細胞増殖因子)を抑制する薬剤を眼内に注射する抗VEGF療法が主流です。この他、レーザーを使った光線力学的療法や網膜光凝固術などがあります。抗VEGF療法では眼内に定期的に注射を繰り返す必要があることから、投与の頻度を減らすなど、患者への身体的負担を軽減する治療法の確立が望まれています。

※1 Market Scope, The Global Retinal Pharmaceuticals & Biologic Market, 2015.