目の病気

網膜色素変性

網膜色素変性とは

網膜色素変性は、遺伝性の網膜疾患で、光を捕らえ視覚認知につなげる働きを持つ視細胞(光受容細胞)において、一つまたは複数の遺伝子変異が徐々に進行して変性を引き起こす病気であり、幼少期に発症する例も多く見られます。世界で約150万人が網膜色素変性に悩まされ(※1)、米国および欧州では約4,000人に1人がかかる患者数の少ない稀少疾病です(※2)。日本においては、厚生労働省が難病に指定しています。

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病気のメカニズム

網膜色素変性の多くは、最初に明暗を認識する杆体(かんたい)細胞が損傷され、周辺視野および夜間視力が障害されます。その後に、色を認識する錐体(すいたい)細胞が損傷され、色覚異常や中心視力の低下をきたし、最終的には失明に至ります。緩やかに進行する症例もありますが、典型的な症状としては数十年後には生涯にわたり視力低下をきたします。小児期に網膜色素変性と診断された患者は、40歳までに社会的失明(矯正視力0.1以下)にいたることが多いと言われています(※3)。

治療の研究開発が盛んな領域

網膜に特異的に発現するRPE65遺伝子の異常で発症する網膜色素変性の患者に対し正常な機能回復を目指した遺伝子治療法が承認されるなど、国内外で、様々な治療法の研究開発があるほか、損傷あるいは死滅した視細胞の働きを補う医療デバイスなども視機能を取り戻す方法として研究開発が行われています。

※1 American Academy of Ophthalmology. Retinitis Pigmentosa Causes. http://www.aao.org/eye-health/diseases/retinitis-pigmentosa-cause. Retrieved July 2, 2016.

※2 Genetics Home Reference, Retinitis Pigmentosa. https://ghr.nlm.nih.gov/condition/retinitis-pigmentosa. Retrieved Nov 7, 2016.

※3 Vaidya P, Vaidaya A. Retinitis Pigmentosa: Disease Encumbrance in the Eurozone. Int J Ophthalmol Clin Res. 2:030 (2015).