目の病気

白内障、老視(老眼)

失明の主要原因

白内障は世界の主要失明原因の疾患で中途失明の 51%を占め(※1)、2020年までに世界で1億人が影響を受けると推定されています。65歳から80歳の間に白内障と診断されることが多く、80歳までには70%の人が白内障を発症すると考えられています。米国では65歳以上の半数を超える人が発症しており、世界では失明原因の1位となっています(※1)。白内障に対しては濁ってしまった水晶体を除去し、人工のレンズに置き換える手術が施行されます。2015年に販売された白内障手術に使われる人工レンズは世界で約2,440万個(※2)、国内の外科手術においても最も件数が多いことが報告されています。

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病気のメカニズム

白内障は眼球内にあるレンズの働きをする水晶体が変性により透明性を失い、視界の曇り、色覚の変化、あるいは失明に至る病気です。水晶体を構成するタンパク質は規則的に配列され透明性を保っていますが、加齢等の原因により規則性を失って凝集し、混濁して光が通りにくくなり視界がぼやけます。一般には老視 (老眼)もしくは加齢に伴い発症すると考えられています。このほか、紫外線などの環境、毒素やステロイドなどの薬剤、変性を起こす遺伝子発現、水晶体を構成するタンパク質の酸化なども原因と言われています。

手術以外に治療法はない

中等度から重度の白内障の人は、手術による治療が唯一の選択肢です。基本的な白内障手術では、角膜を切開して混濁した水晶体を摘出し、人工眼内レンズを移植します。そのほとんどは成功していますが、中には、網膜浮腫、眼圧異常上昇、まぶたが上がりにくくなる眼瞼下垂などの合併症を起こす症例もあります。また一生、眼鏡やコンタクトレンズが必要になることもあると言われています。そのため、初期段階から進行を抑制することが出来、術後合併症や副作用のリスク等が少ない薬物療法など、患者にとってQOLを低下させない治療が求められています。

※1 Smith C. Cataracts FAQ [Internet]. Hopkinsmedicine.org. 2016 [cited 2016 Nov 17]; Available from: http://www.hopkinsmedicine.org/wilmer/conditions/cataracts_faq.html

※2 Market Scope, 2015 Report on the Global IOL Market.